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Happy Unbirthday Songs

hokkaido→tokyo/tsukuba→moscow

今朝もどうしようもなく曇っている。昨日も最初の文に「曇っている」と書いた気がする。起きなくていいよ、もう少し布団と戯れていなよと、雲までが私に勧めてきている気がする。お言葉に甘えて30分ほど寝過ごした。

 

外に出て寒さに驚く。約2度。雨と雪の中間みたいなものが降っているじゃん。東京は今日27度らしいよと友人が言っていて、あまりの気温差に噴き出してしまった。そしてモスクワよ、今はまだ10月だよ。これが11月ならわかる。でも11月はまだやってきていない。10月と12月の間に挟まれた11月の存在感の薄さたるや。これ以上寒くなったとして、もういったいどのように冬を乗り切るのか。

 

午前の授業が始まる前にいつもの購買に寄る。ここはお昼時に来ると、どんなに短くても20分は並ばなければいけない。利用する学生はすごく多いのに、レジはたった一個である。なのにサービスが充実していて、その場でカフェオレを淹れたり、ブリヌイ(クレープみたいなやつ)をレンジでチンしてくれる。でもそれ以上にもっと混む理由があって、それは、それは・・・「横入り」である。

列に並んでいる友人を見つけたら、後から来たとか先に並んでいたなんて全くお構いなしに、どんどん横並びに人が増えていく。私はお腹が空いているので、どうしようもなくイライラしてしまう。だから混んでいない朝のうちにお昼ご飯を買っておくしかないのだ。

 

明るくて清潔感のあるサンドイッチやブリヌイ、ケーキが並んだショーケースの向こう側で、今朝もおばちゃんが迎えてくれた。ショートカットヘアが良く似合う、はきはきしたおばちゃんで、この購買のドンである。お昼時は忙しそうなので会話はできないけれど、今日は私の顔を見るや、笑顔で迎えてくれた。

「こんにちはお嬢ちゃん。なんだかあなた、毎日来てるね。私の名前はニーナ・○○(せっかく自己紹介してくれたけど苗字まで聞き取れず。)。まだ朝だから、全部揃ってるよ!ブリヌイ、サンドイッチ・・・どれにする?」

おばちゃんの優しさが嬉しかった。彼女がこの仕事に誇りを持っていることがよくわかる。りんごジュースと、ベーコンとチーズが入ったブリヌイを購入。

 

午前中の授業が終わった後、クラスメイトの中国人留学生、ミラ(ロシア名)とおしゃべりする。毎朝、寮から大学までの30分ほどをランニングで登校し、授業にも活発に参加するミラは、ナイキのパーカーとスニーカーでキメていた。よく笑いしゃべり、愛嬌がある本当にかわいい女の子である。

そんなミラが、彼氏とのSNSのやりとりを見せてくれた。彼氏のアイコンは中国国旗だった。中国の海兵で、今は日本海で勤務にあたっているから、連絡がとれず寂しいとミラがぼやいている。「彼は国を愛している。私ももちろんそう。赤色が一番好きな色なのは、それが中国の国旗の色だから」と彼女はきっぱりと話す。

今までの私だったらきっと、愛国心という言葉を聞いただけで、なんとなく居心地の悪さを感じていた。国みたいな大きなものに、私という人間を絡めとらないでほしいと強く思っていた。その考えは今も変わらない。

 

でもミラを見ていて、国を愛するとか愛さないとかは、個人の自由だなと思ったのだった。彼女はきっと、すごく純粋で、素直で、自分のいる場所に、立ち位置に疑問を持たない。ただそれだけ。母国を愛するからと言って、日本海で働く中国海兵の彼氏がいるからといって、日本人を嫌っているような様子も一切ない。いつも笑顔で、お菓子を分けてくれたり、ファッションを褒めてくれたりする。日本海で起きていることはそんな単純な問題じゃないかもしれないけれど、国を愛していてもいなくても、それが他者を排除することにならなければ、それでいいのではないか。そんなことを考えていた。

 

授業後の帰り道にスーパーに寄り、約5日分の食料を購入、その後17時から大学内でマッサージを受けることに。モスクワ大学の学生が掲示板に貼ったチラシを先月見つけて、ようやく予約したのだった。

私が普段生活しているのと変わらない、まったく同じ寮の部屋に行くと、眼鏡をかけた優しい雰囲気の男性、サーシャさんが待ってくれていた。同い年には全然見えない落ち着きがある(しかももう結婚してるらしい)。

部屋にはマッサージ台があって、上半身の服を脱いでうつぶせになり、オイルを塗ってもらって、肩と首を本格的にマッサージしてもらった。もうごりごりゴリゴリ、笑顔が素敵だったけど容赦がない。これで50分ほどで約1200円くらいだから、お手軽!

マッサージしながらたくさんお話してくれたのだけれど、私はうつぶせになっているので、耳情報のみに頼ってロシア語の会話をすることになり、なんだか体は休まっても頭がパンパンに・・・・。それでも、肩はすこし楽になったし、やっぱりロシア語、全然まだまだだなとやる気が出たので、思い切って予約してみて良かった。

 

もうやるしかない。やるのみである。やりたいときにやりたいことをやりたいだけやる。やりたくないとおもったときはやらない。意外とこの方がうまく回ってるんじゃないかと思っている。坂口恭平さんが言っていた、「永遠に試せ」という言葉を時折思い出して、いつもはっとさせられている。なんて力強い言葉なんだろうと思う。