Happy Unbirthday Songs

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作戦決行 in シャワー&トイレ

9月9日(金)

 

 朝7時ごろ起床。大学の中にあるスーパーで買った、キノコ入りチーズ、ソーセージパンを食べる。朝10時にNちゃんと買い物リストを作成する。わたしたちの共用するトイレは垢とカビのようなもので汚れ、シャワー室はドアが壊れ、シャワーカーテンは無く、シャワーの足場もこれまた垢まみれである。長年の蓄積なのか、表面に何層にもへばりつき、こちらを嘲笑っているようにも見える。憎らしいのでわたしたちは本日、作戦を決行することにした。

 寮の警備をする女性のところへ行き、「スーパーマーケットの場所はどこか?」と聞くと、ものすごい早口(に聞こえる)で、詳しく教えてくれる。私たちはほとんど聞き取ることができないのだけれど、どうやら大学の最寄り駅のそばにあること、赤い文字でAという目印があること、「アシャン」と言う名前のスーパーらしいということがわかる。お礼に日本から持ってきたボンタン飴を渡すと、女性のそれまでの硬い表情がふわっとほどけ、嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれた。

 

 昨日までは大学の方向から歩いてくると、ウニベルシチエット駅まで行くためには横断歩道を渡らなければならなかったのだが、ついに地下通路が開通していた。これで往来の激しい道路をせかせかと渡る必要もなくなる。通路には点字ブロック、そして地上へ上がる部分にはスロープもあって、障害者に配慮する設備もあることに驚く。テレビ局が取材に来て、地下通路をはじめて利用したと思しき男性にインタビューしていた。

 大学を出てから20分ほど歩くと、大きなショッピングモールが見つかる。ベビーカーを押すおじいさん、おばあさんの姿が多い。ロシアでは、奥さんの実家の両親が、娘が仕事に行っている間に子守をするというのが一般的なのだそうだ。

 

 モールの中の大型スーパーに入る。品数はひじょうに豊富。リンス一つを買うにしても、一体どのような効用があるのか、ロシア語なのでまったくわからない。「集中・・・補修?」「髪の毛・・・回復?」というように、電子辞書と格闘する。スーパーマーケットで電子辞書を広げるなんて、初めての経験だ。

 ソープ類、衣服用の洗剤、トイレ掃除用品、シャワー室掃除用品、ゴミ箱、雑巾、コップなど、必要なものを買いそろえる。品数は豊富だったが、手鏡とシャワーカーテン、それから空きっぱなしのドアを閉めるための紐は手に入らなかった。(鏡はどこですか?と店員に聞くと、「あっち」とは教えてくれるのだけれど、どこにも見当たらないし、紐は売っていたもののバーコードが読み取れないらしくレジで突き返された)。そして今日は寄ることはできなかったけれど、乳製品コーナーの豊富なこと!これは通うのが楽しみだ。

 

 たらいとほうきを抱え、スーパーの袋をえっちらおっちら運びながら、もと来た道を戻る。行きは20分くらいかと思ったが、帰りの道のりは長く感じる。大学の中にある小さな公園を見ると、マッチョな男性たちがたくさん集まっている。この公園はいつ見ても、このような男性たちが遊具の上で腹筋をしたり、懸垂をしたりしている。上半身裸の男性は、腹筋が6つに割れていた。すでに気温は13度~15度ほどである。寄り付きにくいことこの上ない公園だ。

 一度部屋に荷物を置き、食堂へ。ピラフ、ミートローフ、野菜スープ、ブルーベリージュース、これで300円くらい。スープは優しい味がして、サワークリームの酸味がアクセントになっている。

 部屋に戻り、さっそく掃除を始める。トイレ用洗剤を便器に垂らしてブラシでこすり、クイックルのようなペーパーで便座の汚れを拭くと・・・落ちること落ちること!磨けば磨くほど便座と便座は白くなり、ペーパーは黒ずんだ。「まじで前の住人、掃除してから出ろよ」と唖然とする。私は興奮し、掃除に熱が入る。洗面台とシャワー室の床もこすりにこするも、わずかしか汚れはとれなかった。汚れが何層にも重なって、もはや表面をしっかりとコーティングしてしまっている。結局シャワー室の床は相変わらず汚すぎるので、買ってきたビーチサンダルを履きながらシャワーを浴びることにした。

しばらく部屋で単語の復習をして、再び六時ごろ大学内のカフェへ。わたしは子牛肉のソテー。口内炎に染みるがおいしい。ハチミツとブリヌイも追加注文したのだが、なぜかハチミツだけ先に出てきて、ブリヌイは一向に出てこない。店員に確認すると、「さっきあなたはハチミツだけって言ったわよ」と言われ、「今からブリヌイ用意するから」とのこと。ハチミツだけ食べるなんてことないでしょと心の中で突っ込むが、怒ってもしょうがないので、ハチミツを表す「ミョート」という単語を覚えられただけ良しとしようと切り替える。ブリヌイはモチモチとしたクレープのようで気に入る。最後にレジに行って支払いをすると、お札は帰ってきたものの、小銭の用意がないらしく、コインは返せないと言われる。まあ、チップと思えばいいのだろうか・・・。いろんな疑問や戸惑いを合理化しようとしている、私。

 

 部屋に戻り、Nちゃんとしばし部屋で話す。たくさん迷ったけど、選び取ってここに来たのだから、これでしかなかったと思っている、と話すと「うん、留学するしかなかったんだよ」と言われた。うまくいかないことがあっても、これで順調だと思えることは心強い。その中でしっかり試行錯誤できれば良いと思う。