Happy Unbirthday Songs

hokkaido→tokyo/tsukuba→moscow

869歳の誕生日

9月11日(日)

 

 朝11時に寮を出て、日本人留学生4人で赤の広場観光。今日はモスクワの誕生日のような日で、警備は数日前に来た時より厳重になっていた。帽子を被り、長いコートを羽織った警官たちは、皆同じような顔に見えてしまう。いつも5~6人で連れ立ってだるそうに歩いていて、仕事にやりがいを感じているようにはあまり見えない。それにしても、どんな店や通りに入るときも、カバンの中のものを見せなければいけないのは面倒くさい。

 先日来た際に見かけた、international military musical festivalに日本が参加してるのは何のこっちゃと思っていたけれど、留学生仲間のモンくんによれば、他の国は軍隊の音楽が演奏されるらしいのだけれど、日本だけは盆踊りを披露するらしい。赤の広場と盆踊り。モスクワの秋空に謎は深まる。

 

 赤の広場の高級デパート、グムに入る。屋根はアーケード状、吹き抜けになっており、噴水の広場もある。全体的にクラシカルな雰囲気だが、通路の真ん中のマネキンが日本製のランドセルを背負っているのには笑ってしまった。家族連れやおばあさんたちでにぎわっている。「食堂・No57」というお店に入る。私はマカロニトマトソース、ハンバーグ、野菜スープ、付け合わせにナスの小皿。これで600円ほど。壁のところどころに掛けられた、ポップなポスターがかわいらしい。ペンギンがアイスクリームを持っているポスターを写真に撮る。ちらっと通り過ぎた本屋のショーケースにも、目を引くようなデザインブックがあるのを見つけた。やっぱり私はどんな場所に行っても、気に入ったデザインを見つけると気分が高揚して、できるだけ近づきたい、手に入れたいと思う。

 外に出ると、路上では特設ステージが組まれ、一昔前くらいの時代の音楽をバックに女性ダンサーたちが踊ったり、バンドが大音量で演奏したりしていた。行き交う人は多いものの、ステージの音楽に熱狂しているわけでもなさそうで、拍手はまばらだった。ロシアでは、シンガーソングライターなどという職業はあるのだろうか。もうすこし落ち着いた歌を聴きたい。

 また別の通りでは、舞台衣装を来た俳優たちが、男女に分かれて戦闘ごっこのようなパフォーマンスをしていた。

 

 赤線から乗り換え、キエフスカヤの巨大なショッピングモールへ。留学生の仲間が、大型の家電量販店で探しているものがあるというのでついていく。ユニクロソニーマンガ喫茶まで入っていることに驚く。フードコートで31のアイスクリーム。子どもが手放した風船が天井にまで行ってしまい、お母さんが椅子に乗って取り戻そうとしている。手を上げるのでセーターも上へ引っ張られ、立派なお肉が露わになっている。こちらの人は、ブラジャーの上に直接、上着を着るようで、キャミソールを着るということはあまり無さそうである。必死で風船に伸ばすお母さんの様子を、旦那さんは遠くから面白そうに携帯で撮影しているだけ。手伝ってやれよと突っ込みながら、チョコレート味のアイスクリームをなめていた。

 

 こういうショッピングモールに行くのは必要最低限でいいなと思う。私はもう少し、個人でやっているようなこぢんまりとしたお店が好きだ。その方がお店のたたずまいやこだわりが見えて、自由な気がする。蚤の市のようなものがあるならそこにも行ってみたい。私は、ただお金を出すのがあまり好きではない。出来る範囲では自分でつくったり、友達の力も借りたりしたい。お金を出すのなら、ちゃんとその品物の価値を知り、惚れ込んだものに出したいし、品物の良さを伝えてくれるような売り手の人と出会いたい。ショッピングモールのように、対話が生まれない場所はあまり好きではないなと思った。 

 寮に戻り、カフェでチキンサラダを食べる。勉強を少しして、22時に就寝。ロシアに来てから睡魔に襲われる日々が続く。